春から介護職員になるあなたへ
~心構えや気を付けるべきことを紹介~

春から介護職員になるあなたへ  ~心構えや気を付けるべきことを紹介~

はじめに

春から介護職員として働く方のなかには、新生活への期待と、
「うまくできるかな…」
「新しい環境になじめるかな…」

不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?

この記事では、新人介護職員の主な仕事内容を紹介するとともに、新人としての心構えや準備するものについて解説します。
また、勤務初日にすることや具体的なアドバイスも紹介していますので、ぜひ参考にして緊張や不安を和らげてください。

お仕事の内容

新人介護職員が初めに携わる仕事は、主に先輩が担う業務の見学・補助です。
食事介助、排泄介助、入浴介助などの介護技術を見学し、必要に応じて補助を行います。

具体的には次のような内容です。

  • 基本的な介護技術の見学・補助
  • 食事の配膳
  • おやつの時間のお茶準備・お茶出し
  • 利用者とのコミュニケーション
  • レクリエーションの補佐

など

介護現場で最も大切なことは、利用者との信頼関係を構築することです。そのため、上記の業務の際には、積極的に利用者とコミュニケーションを取り、早く信頼を得られるように心がけましょう。

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新人介護職員の心構え

では、新人介護職員はどのような心構えを持っておくべきなのでしょうか。
ここからは、新人介護職員に求められる心構えを具体的に紹介します。

社会人の基本:報連相

介護現場は介護職員同士だけでなく、他の専門職と協力して業務にあたります。
職員間のチームワークを存分に発揮するためには、「報連相(報告・連絡・相談)」が欠かせません。どの仕事を誰がどこまでどのように行ったのかを詳細に情報共有することで、利用者の介護・支援をシームレスに行うことができます。

また、利用者のなかには見守りが特に必要な方や、容態が急変するリスクのある方がいらっしゃることもあるため、報連相を怠ると思わぬ事故につながることもあります。
分からないことや気になることがあれば、新人だけで判断せずに先輩介護職員に報告し、指示を仰ぐことも重要なポイントです

スピードの速さよりも丁寧な仕事を心がける

新人介護職員に求められるのは、仕事のスピードの速さではありません。それぞれの利用者にとって適したスピードで丁寧に仕事をし、その手順をしっかりと覚えることが大切です。

手順を覚えて慣れてきた頃、仕事が雑になりがちですが、最初からそのようなことが無いように、新人介護職員として一つひとつ丁寧な仕事を心がけるようにしましょう。

体調管理を怠らない

介護職員は身体が資本です。日頃から自身の体調管理に注意を払い、心身の疲れやストレスが溜まらないように工夫しましょう

具体的な対策は次の3つです。

ストレス対策
ストレスは疲労の原因や意欲の減退に繋がるため、休日は趣味や好きなことに時間を費やし、心身をリフレッシュしましょう。
睡眠不足対策
介護職員はシフト勤務が多く、勤務時間帯に合わせて良質な睡眠を取らないと睡眠不足に陥ってしまいます。朝少し早めに起きて太陽光線を浴びる、適度にストレスを解消するなどの工夫をおこない、良質な睡眠を取るようにしましょう。
腰痛対策
介護職員は仕事柄、腰を痛めやすい職種です。ボディメカニクスを駆使して腰を痛めないような介護技術を実施することはもちろんですが、日頃から身体のストレッチをして、定期的にボディメンテナンス(整体やマッサージ等)に行くこともおすすめです。

謙虚な姿勢を持つ

最後に、これは介護業界に限ったことではありませんが、いくつになっても、どんな仕事をしていたとしても、謙虚な姿勢を持つことが大切です。

謙虚な姿勢とは、他者のアドバイスを受け入れたり、自分の非を素直に認めることができる姿勢を言います。謙虚な姿勢を持てると、周囲の信頼を得られやすくなるとともに、他者のアドバイスや失敗を通じて自己成長ができるため、業務の効率化や課題解決にもつながります。

現状に満足して変わらないのではなく、新たな環境にいち早く適応できるように、また、現場の課題を解決するために、常に謙虚な姿勢を持つようにしましょう

先輩たちの介護業界で働く理由を知りたい方はこちら!

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準備しておくもの

新人介護職員として現場に立つとき、持っておくべきグッズ、持っていたら便利なグッズがいくつかあります。前日までに準備し、忘れ物がないかチェックしておくと安心です。1つずつ紹介していきます。

ハンカチ

自分の汗を拭いたり、ちょっとした水分を拭き取ったりする際に使います。ただし、感染症対策のため、利用者の汗などを拭う時や汚れた水分を拭き取る場合には、使い捨てのペーパータオルなど施設の備品を使いましょう

マスク

介護職員にとってマスクを着用することは、病気やウイルス感染を防ぐために有効な手段の1つです。
もちろん、マスクを付ける・付けないの判断は勤務する施設のルールに従うのが基本ですが、できる限り着用することをおすすめします
勤務する施設で使い捨てのマスクを準備している場合はそれを利用しますが、別途使い捨てマスクを1枚準備し、バッグやポケットの中に入れておくといざという時にも安心です

メモ帳

先輩職員から指示されたことを書き留めたり、覚えなければならない手順を記録したりする場面で使います。サイズは邪魔にならないよう、ポケットに入る大きさのものが良いでしょう。
勤務初日から教わったことを積極的にメモ帳に書き込み、先輩職員に好印象を持ってもらうようにしましょう

ただし、緊急の事態が発生したときや多忙な時間帯など、メモを取ることよりも優先すべきことがある場合には、後からメモをとるなどしてTPOをわきまえるようにしましょう

ボールペン

上記のメモ帳とセットで準備します。ペン先を押し出すノック式を1本準備し、現場で着用するユニフォームのフックに掛けておきましょう。キャップを外すキャップ式は、キャップを落としたりして紛失する可能性があるためおすすめしません。
ユニフォームにフックが無い場合は、ポケットの入り口に掛けておくなどして、いつでも取り出せるように工夫しましょう

携帯用のアルコール消毒液

介護職員は利用者に直接触れる機会が多いため、病気やウイルス感染のリスクが高いです。また、介護職員自身が媒介者となり、他の利用者に感染させるリスクもあります。このような感染拡大リスクを最小限に留めるため、アルコール消毒液で手指を細目に消毒するようにしましょう

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初めて出勤した日にやること

新人介護職員が出勤する初日には、各部署への挨拶や仕事内容の説明、法人の理解を深めるための研修などが行われるのが一般的です。ここからは、具体的に初日にやることの説明をします。

利用者と職員への挨拶

勤務初日は、上司や先輩職員からの紹介を受け、利用者や職員に挨拶したり自己紹介したりする機会があります。人間関係は第一印象が大切です。これから一緒に働く人たちに好印象を持ってもらうために、明るく元気に、笑顔でご挨拶すると良いでしょう

仕事内容の説明や施設見学

施設内を見学しながら、これから従事する仕事内容の説明を受けます。必要に応じてメモを取り、印象に残ったことなども併せて書き留めておくと良いでしょう。また、説明を受けているなかで、質疑応答の時間があれば積極的に質問するようにしたいところです。ただし、仕事内容の具体的な手順や細かいルールなどは、勤務2日目以降に現場でレクチャーされることが多いので、この場面では控えておくようにしましょう

研修を受ける

研修の内容は、主に次のようなものです。

  • 法人の理解を深める(経営方針、企業理念など)
  • 介護職員としての心構え
  • 介護職員としてやってはならないこと

など

特に、施設の運営方針や理念をしっかりと理解しておくことは、その施設の方針に沿った介護・支援をするために非常に重要です。研修の際は、しっかりと受講して必要に応じてメモを取り、質疑応答の時間には積極的に質問するようにしましょう。

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おわりに

勤務初日は、慣れない環境の中新しいことばかりで、緊張する新人介護職員さんも少なくはありません。しかし、現場でバリバリ働く先輩たちも、皆さんと同じように新人の時があり、誰もが通ってきた道です。新人だからと言って、過度な不安や緊張を抱える必要はありません

この記事で紹介したことをよく読んで、事前に準備をしたり、勤務初日のイメージをしたりして、不安な気持ちを少しでも和らげていただければ幸いです。そして、当日は明るい挨拶や、積極的に質問をして良い印象を持ってもらえるように心がけましょう。

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笑和

現役の大学教員として社会福祉士・介護福祉士の養成教育に携わる。
福祉人材の教育は約20年のキャリアを持ち、医療・介護・福祉だけでなく、年金や健康保険などの社会保障全般にも精通している。
大学で教鞭を取る傍ら、福祉系専門学校の非常勤講師を務め、福祉系の国家資格応援ブログで情報を発信するなど、多方面で活躍中。

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