【インタビュー】
薬局併設の介護サービス事業所ウエルシア介護サービス
─ ケアの連携がもたらす地域密着型の支援体制 ─
はじめに
両親や兄弟姉妹の介護をしなければならないと考え始めたけど、どこに相談すればよいのか分からず困っておられる方は多いのではないでしょうか。お買い物ついでにふらっと寄れて相談できる場所があればと思われる方に知ってもらいたいです。
今回の記事では、ウエルシア薬局に併設して介護サービスを展開されていらっしゃる茨城県の「ウエルシア介護サービス古河事業所」を紹介いたします。
薬局併設ならではのエピソード
━ウエルシア介護サービスの取り組みを教えてください。
ウエルシア介護サービスは前身である寺島薬局株式会社の介護事業部から始まり、当初は訪問入浴サービスを中心のサービスとしていました。
その後は茨城、埼玉と事業所数を増やし、訪問介護、福祉用具レンタルといった在宅向けのサービスを展開しています。
また、デイサービス、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホームといった施設運営も幅広く事業展開をしています。
━薬局に併設している古河事業所のエピソードを教えてください。
ご利用者様はウエルシア薬局の店頭や調剤から相談に来られる方が多いですね。
わざわざ役場に行くのではなく、ドラッグストアでの買い物ついでにふらっと寄れるのが好評のようです。
薬局が併設なので、薬剤師も栄養士が同じ事務所にいるため、情報連携がしやすいのは大きなメリットですね。
例えば、訪問服薬の際にウエルシア薬局の薬剤師にすぐに相談できることが挙げられます。一括でウエルシアグループが対応できるのは利用者側、事業者側どちらにとっても大きなメリットになっていると思います。
地域によって分類される利用者の特徴
━様々な地域でサービスを提供するにあたり、地域ならではのご利用者の特徴などがあれば教えてください。
福祉用具の関係で感じているのは、茨城県の住宅は庭と縁側があったり、玄関までの段差が非常に高く出来ているところが多いことですね。それもあって、ステンレス製の外手すりのレンタルが多いです。一方で埼玉県や千葉県では、レンタルよりも購入が多いのが特徴です。あくまで予想ですが、人から借りるのが煩わしく感じられる方が多く、購入を選択されるようです。
近年ではデザイン性を求めるお客さんが多いと感じています。単なる機能性ではなく、人に見られることを意識してデザインを重視するご利用者様がいらっしゃいますね。
こちらが使いやすい製品を提案しても、こんな年寄りっぽいデザインのものは使いたくないとおっしゃいます。ご近所さんやご家族だったり、周囲の目が気になるのでしょうね。
━ご利用者様はご家族と一緒に住まわれているケースが多いですか。
茨城、埼玉は同居がやや多い印象ですね。特に埼玉の場合、同居だと大体3階建てでエレベーターがついてたり、螺旋階段がついている住宅も珍しくはないですね。
ご家族と別居されている方のケアの難しさ
━見守り機器のニーズは別居の方があると思いますか?
そうとも限りませんよ。同じ家にいても、家族が見ていないうちに外に出てしまったりするケースもあるのでご家族様は近くに住んでいても離れて住んでいても心配しているのが現状です。
皆さん工夫して安否を確認されていますね。例えば、ケアマネジャーさんが宅食サービスの方に依頼して、食事の配達のついでに安否確認をしてもらったりと、いろいろ工夫をされています。
━“まもる~の”を紹介する以前はご家族のご要望に対してどう対応されていましたか?
実際のところ対応が難しいのが本音です。
ケアマネさんが宅食サービスや民生委員に個人的に依頼して何かあったら連絡していただくようにするとかですかね。究極はデイサービスやヘルパーさんですね。ただ、費用的にデイサービスの利用は毎日となると難しいのが現状です。
あと、緊急通報のシステムが市から無料配布されているところもあるけど、身に着けていても実際何かあったら押せる状況じゃないケースが多く、入浴中に何かあっても、浴室に持ち込むことはないので、助けを求めても何もできないのが現状です。
そう考えると、“まもる~の”を通して浴室からベッドに戻るのを確認できるだけでも魅力的ですよね。費用的に毎日デイサービスを頼むのが難しい方や、夜間の動作確認でご利用したいご利用者様のニーズは高いと思います。ベッドから降りたり、トイレに入ったりなどのわずかな動作でも確認できるだけでご家族の心配は和らぐと思います。
おわりに|今後の展望
今後、ウエルシア全社的には茨城県を中心に開設数を増やしていこうと取り組んでおり、今期は19事業所を開設予定です。
特に在宅サービスメインで、より広い地域の方にウエルシアの介護サービスを提供をできればと動いています。介護保険内に限らず、介護保険外の部分でも“まもる~の”を取り扱っていきたいと考えているところです。
仲本翼
介護ロボットメーカー勤務。営業を担当。
介護に関するコラム記事を執筆中。