【はじめてでお困りの方へ】
介護保険制度とは?
概要からサービスの利用方法までわかりやすく解説!
はじめに
介護保険制度とは、介護が必要になった方を社会全体で支える制度です。
介護保険を利用することで、介護が必要な高齢者の生活を支えるだけでなく、介護を行うご家族も支えることができます。
しかし、介護保険の利用を考えていても、
「そもそも介護保険ってどういったものなんだろう…」
「どのように申請して利用すれば良いのかわからない…」
と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、介護保険の概要や介護サービスの利用方法、介護保険のメリット・デメリットを解説します。
お読みいただければ、介護保険の申請からサービス利用開始までを理解することができます。
「介護サービスを利用したいけど、仕組みや申請方法がわからない…」という方は、ぜひ参考にしてください。
介護保険制度とは?
ここからは、介護保険について次の項目に沿って解説します。
- ① 介護保険制度誕生の背景
- ② 介護保険制度の概要と仕組み
- ③ 介護保険サービスを申請できる人
まずは、介護保険がどのような制度であるのかを知っていきましょう。
① 介護保険制度誕生の背景
介護保険は2000年に創設された、介護が必要な高齢者や介護を行うご家族を支えることを目的とした制度です。
介護保険が創設された背景は次のとおりです。
- 高齢者の増加にともなう要介護者の増加
- 介護が必要となる期間の長期化
- 介護を行う側の高齢化
これまでは、老人福祉・老人医療制度が高齢者を支えていましたが、上記の背景により、従来の制度では対応ができなくなってしまいました。
そこで、この状況を打開すべく導入されたのが介護保険制度です。
② 介護保険制度の概要と仕組み
介護保険を運営している保険者は市区町村です。
加えて、国や県、医療保険者、年金保険者などが相互に負担して成り立っています。
また、介護保険には次のような考え方があります。
- 自立支援
- 高齢者の自立を支援してその人らしい生活をめざす
- 利用者本位
- 高齢者の自宅環境や心身の状態に応じたサービスを選択できる
- 社会保険方式
- 保険料の負担と給付の関係が明確な方式を採用している
つまり、介護保険は高齢者一人ひとりの背景に考慮して、その人らしい生活をめざしながら社会全体で支える仕組みとなっています。
③ 介護保険サービスを申請できる人
介護保険のサービスを申請できる対象者や適用要件は次のとおりです。
年齢や介護度によって、適用要件や徴収方法が異なるため注意が必要です。
第1号被保険者 | 第2号被保険者 | |
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対象者 | 65歳以上の方 | 40歳から64歳の方 (医療保険加入者) |
適用要件 | 要介護・要支援状態 | 特定疾病 により 要介護・要支援状態となった方 |
保険料の徴収方法 |
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ポイント 特定疾患とは?
第2号被保険者の適用条件となる特定疾病とは、次の16種類です。
特定疾病一覧 |
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具体的な介護サービスの利用方法や自己負担割合に関しては、次の章で解説します。
介護保険制度を利用してみよう!
ここでは、介護保険の利用方法に関して次の項目に沿って解説します。
- ① 介護サービス利用までの流れ
- ② 自己負担となる割合
- ③ 介護保険で受けられるサービス一覧
利用方法や自己負担割合を把握して、スムーズにサービスの利用を開始しましょう。
① 介護保険サービス利用までの流れ
介護サービスを利用するには、要介護・要支援の認定を受ける必要があります。
申請からサービスの利用開始までは次の流れで進みます。
事前に全体の流れを理解しておきましょう。
介護サービス利用の流れ
1.申請 | 介護保険の被保険者証(第1号被保険者)もしくは、 医療保険の被保険者証(第2号被保険者)を持参して、 市区町村の窓口で要介護・要支援の申請をする。 |
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2.要介護認定の調査 | 申請後、認定調査員が自宅を訪問して、 ご本人やご家族から、生活の様子や抱えている思いなど を聞き取る。 |
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3.主治医意見書の作成 | ご本人の主治医に心身の状況を記載した意見書 を作成してもらう。 (市区町村から直接依頼される) |
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4.審査・判定 | 調査内容と意見書をもとに、介護認定審査会で どのくらいの要介護・要支援となるかを判定する。 |
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5.認定結果の通知 | 申請から30日以内に市区町村から認定結果が通知される。 | |
6.ケアプランの作成 | 要介護:在宅利用 |
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要介護:施設入居希望 |
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要支援 |
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7.利用開始 |
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参考:介護サービスの利用のしかた|介護保険制度について|厚生労働省
次の章では、介護サービスの自己負担となる割合について解説します。
② 自己負担となる割合
介護サービスの自己負担割合は、原則サービスにかかった費用の1割が負担額となります。
ただし、一定の所得がある方は2割または3割となるので注意が必要です。
また、自宅生活の方を対象とした居宅サービスにおいて、要介護度別に限度額が定められています。
介護度別の居宅サービス利用限度額は次のとおりです。
要支援1 | 50,320円 |
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要支援2 | 105,310円 |
要介護1 | 167,650円 |
要介護2 | 197,050円 |
要介護3 | 270,480円 |
要介護4 | 309,380円 |
要介護5 | 362,170円 |
参考:サービス利用者の費用負担等|介護事業書・生活関連情報検索|厚生労働省
限度額以上のサービスを利用した超過分は自己負担となるので注意しましょう。
③ 介護保険で受けられるサービス一覧
介護保険で受けられるサービスは次のとおりです。
様々なサービスがあるので、ご本人やご家族の状況や意向に応じて最適なものを選択しましょう。
介護保険で受けられるサービス
訪問介護 | 訪問介護員が、介護(食事・排泄・入浴)や 家事(調理・洗濯・掃除)を行うサービス |
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訪問看護 | 医師の指示のもと、看護師がご本人の 健康状態の確認や療養上の世話を行うサービス |
福祉用具貸与 | 車いす・手すり・特殊寝台などの 福祉用具をレンタルできるサービス |
デイサービス | 食事・入浴・排泄などの支援や、身体機能の 維持・向上のためのリハビリテーションなどを 日帰りで行うサービス |
デイケア | 施設や病院などで、理学療法士や作業療法士が リハビリテーションを実施して、日常生活の 自立支援を助ける日帰りサービス |
ショートステイ | 施設などに短期入所して、ご家族の 介護負担を軽減するサービス |
特定施設入居者生活介護 | 有料老人ホームに入居しているご本人の 日常生活の支援や介護を行うサービス |
特別養護老人ホーム | 要介護3以上の方が対象の施設。 食事・入浴・排泄などの介護を提供するサービス |
小規模多機能型居宅介護 | 施設への通いを中心に、短期宿泊や 自宅訪問を組み合わせて生活支援や機能訓練を行うサービス |
定期巡回・随時対応型 訪問介護看護 |
24時間365日必要なサービスを柔軟に提供するサービス。 介護と看護の両方のサービスを提供 |
介護保険適応!訪問入浴についての解説記事はこちら!
はじめてで不安な方必見!訪問入浴介護とは?当日の具体的な流れや利用まで手続きを徹底解説!
介護保険制度を利用するメリット・デメリット
ここからは、介護保険を利用するメリット・デメリットを解説します。
介護保険制度を利用するメリット
介護保険のメリットは次のとおりです。
- 限度額内であれば自己負担1割で利用できる
- 介護や家事のサービスを受けることで 健康の維持や生活の質を高められる
- 介護を代行してもらうことでご家族の心身の負担を軽減できる
介護サービスはご本人だけでなくご家族の負担も軽減できるため、心の支えにもなることでしょう。
介護保険制度を利用するデメリット
介護保険のデメリットは次のとおりです。
- 年齢制限や介護認定などサービスを受けるための適用要件がある
- 保険料を支払わないでいるとペナルティーが生じる
とはいえ、介護保険には前述した自己負担1割や健康の維持・向上、ご家族の介護負担の軽減など、メリットの方が豊富に存在します。
ポイント 公的介護保険と民間介護保険の違い
民間介護保険とは、生命保険会社などの民間企業が提供している保険商品です。
公的介護保険と民間介護保険の違いは次のとおりです。
公的介護保険 | 民間介護保険 | |
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加入義務 | あり(40歳以上) | なし(任意) |
給付方法 | 介護サービスによる現物給付 | 現金給付 |
加入条件 |
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適用要件 |
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「公的介護保険の自己負担分を補いたい!」
「公的介護負担の対象とはならない年齢でも保証が欲しい!」
という方は、民間介護保険を選択肢に入れても良いでしょう。
おわりに|
介護保険制度を利用して日々の生活の支えとしましょう!
介護保険制度を上手に利用すれば、ご本人だけなくご家族の負担も軽減でき日々の生活を支えてくれます。
「歩行が不安定になったりトイレに失敗したりと、両親の生活が心配になってきた…」という方は、本記事を参考にして介護サービスの利用を検討してみましょう。
なお、弊社ではご家族の生活を遠方からそっと見守ることができる「見守りロボットまもる~の」をご提供しています。 介護保険でのご利用も可能です。※要相談
気になる方は、ぜひ一度こちらもご参照ください。
参考文献・資料・サイト
吉沢 仁
専業Webライター。
看護師として病棟勤務や、派遣での施設介護職員や看護職員の経験あり。
看護師経験を活かして、医療・介護のコラム記事を執筆中。
SEOなどのWebマーケティングや、税金や社会保険など金融関係全般にも精通している。