ご自身やご家族の健康が気になる方必見!
高齢者に多い疾患とは?
若い頃よりも発症しやすい理由や予防法について解説!

ご自身やご家族の健康が気になる方必見!  高齢者に多い疾患とは?  若い頃よりも発症しやすい理由や予防法について解説!

はじめに

健康に生活していく上では、病気にはなるべくかかりたくないものです。
しかし、年齢を重ねるにつれて、若い頃よりもさまざまな病気にかかることが増えていきます。
では、なぜ高齢になるとさまざまな病気にかかることが増えていくのでしょうか?

この記事では、高齢者に多く発症する代表的な疾患や、高齢になると病気を発症しやすくなる理由などについて解説します。
また、高齢者に発症しやすい疾患を予防する方法についても紹介しているので、年齢を重ねても健康に生活したい方、ご家族の健康が気になる方はぜひ最後までご覧ください。

高齢者の約6割が3つ以上の慢性疾患を抱えている

高齢者とは、WHO(世界保健機関)の定義によると、65歳以上の人のことです。
さらに、高齢者の中でも65歳〜74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と分類されています。

若い頃は病気とは無縁だったという方も、年齢を重ねて高齢になると病気になったという方もいることでしょう。
では実際に、高齢者のどれくらいの方が病気を抱えているのかご存じでしょうか?

2019年に、東京都健康長寿医療センターが東京都の後期高齢者約131万人の情報を分析した調査によると、後期高齢者の約8割が2つ以上の慢性疾患を併発していました
さらに、約6割の後期高齢者が3つ以上の慢性疾患を併発していたと報告されています
確認された慢性疾患としては、高血圧や脂質異常症、糖尿病、心疾患、変形性関節症など、さまざまな疾患がありました。

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高齢者に多い代表的な疾患

高齢者になると多くの方が病気を抱えるようになりますが、高齢者に多い代表的な疾患にはどのようなものがあるのでしょうか。

高齢者に多い代表的な疾患としては、以下の疾患があげられます。

  • 悪性新生物(がん)
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 心疾患
  • 脳血管疾患
  • 肺炎
  • 関節疾患
  • 認知症   など

厚生労働省がおこなった「令和2年(2020)患者調査の概況」によると、高齢者の入院理由は脳血管疾患が最も多く次いで悪性新生物(がん)でした

また、同じく厚生労働省がおこなった「令和4年版高齢社会白書」によると、高齢者の主な死因は以下の順位でした。

第1位 悪性新生物(がん)
第2位 心疾患(高血圧性を除く)
第3位 老衰
第4位 脳血管疾患
第5位 肺炎

ほかにも、認知症や転倒による骨折なども高齢者に多い疾患です。

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高齢になると病気を発症しやすくなる理由

高齢になると病気を発症しやすくなる理由には、以下の理由が考えられます。

  • 臓器の老化
  • 回復力の低下
  • 生活習慣
  • 筋力や活動量の低下

それぞれの理由について、詳しくみていきましょう。

臓器の老化

年齢を重ねるとともに、心臓や腎臓などの臓器は老化していきます。
臓器が老化することにより臓器の機能に障害が生じて病気を発症しやすくなるのです

たとえば、心臓が老化すると心臓の壁が分厚くなったり、柔軟性が低下したりします。
すると、心臓が血液を全身に送り出す機能が低下して、心不全といった心疾患を発症する可能性が高くなります。

回復力の低下

高齢になるにつれて、回復力が低下するといわれています。

若い頃は、怪我や病気などで骨や臓器が損傷しても、治療することにより、その後元の機能まで回復する可能性が高いです。

しかし、高齢になると回復力が低下しているため、一度損傷を受けると、なかなか回復しません。
場合によっては、元の機能まで回復せずに、機能が低下した状態が続くこともあります。
機能が低下した状態がつづくと、新たな病気を引き起こすリスクにもつながります

生活習慣

高齢になるまでにおこなってきた生活習慣が、病気のリスクとなることがあります。
たとえば、飲酒や喫煙が病気の原因になると聞いたことがある方は、多いのではないでしょうか。

飲酒は肝臓にダメージを与えて、肝疾患を引き起こす原因として知られています。

喫煙は肺の病気の原因となるのはイメージがつきやすいかと思いますが、喫煙の影響は肺だけではありません。
血管が硬くなる動脈硬化の加速や、血圧を上昇させる作用によって、心筋梗塞や脳梗塞などの病気の原因にもなります。

このように体に影響を及ぼす生活習慣は、病気を引き起こす原因となります

筋力や活動量の低下

高齢になると若い頃よりも、活動量が減ったり、全身の筋肉量が低下したりします。
筋力や活動量の低下は、関節の病気や骨折などのリスクを高める要因です

たとえば、膝関節周辺の筋力が低下すると、膝関節への負担が大きくなり、膝関節の変形や痛みを引き起こす変形性膝関節症のリスクが高くなります。
さらに、膝関節に痛みが生じることによって歩くことを避けるようになると、活動量が低下してさらなる筋力の低下につながってしまうのです。

ほかにも、筋力低下は転倒するリスクと関連しており、高齢になって骨の強度が低下している方は転倒によって骨折してしまう可能性が高くなります。

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高齢者に発症しやすい疾患を予防するには?

前の章で紹介したように、高齢になるとさまざまな理由によって病気にかかりやすくなります。
病気にかかると健康に支障が生じてしまうため、なるべくかかりたくないものです。

高齢になることによって発症しやすくなる病気には、有効な予防法が確立されているものもあります。

高齢者に発症しやすい疾患を予防するための方法は、以下のとおりです。

  • 健康診断
  • 食事
  • 運動
  • 生活習慣の改善
  • 見守りツールの活用

ここでは、それぞれの予防法について詳しくみていきましょう。

健康診断

病気を発症して取り返しがつかない状態にならないように、健康診断で早期から体の異常を見つけることが重要です。

病気によっては、初期段階は目立った変化が見られないことがあります。
すると、目に見えて変化がわかるようになった頃には、体に大きな障害を引き起こしていたり、治療が難しくなったりといった状態になってしまうかもしれません。

このような取り返しがつかない状態となる前に、定期的に健康診断を受けて、早期から体の異常を見つけましょう

食事

病気にならないために、健康的な食生活を心がけましょう。ジャンクフードやスイーツなど、脂質や砂糖が豊富に含まれた食べ物ばかりを食べていると、肥満や高血圧、糖尿病などにつながります。

そのため、食事はジャンクフードやスイートなどを減らし、野菜や果物、魚などをバランスよく食べるように心がけることが大切です

運動

病気の予防としては、運動も効果が期待できる予防法のひとつです。

運動をすることは、心疾患やがん、高血圧などのリスク軽減につながると報告されています。
また、適度な運動は肥満や筋力低下の予防にもなるため、肥満や筋力低下が原因となる病気の発症予防にもつながるでしょう。

病気の予防のためには、ジョギングをしたり、ジムで筋力トレーニングをしたりしなければならないと思う方もいるかもしれません。しかし、運動は1日の歩数を増やしたり、エレベーターではなく階段を使うようにしたりといった活動量を増やすだけでも、健康に対する効果が期待できます。

そのため、運動が苦手な方は、まず生活の中で活動量を少しずつ増やすことを意識してみてください

生活習慣の改善

お酒やタバコは、病気のリスクを高める要因となるため、禁酒や禁煙をすることにより病気の予防になります。
飲酒や喫煙が習慣になっている方にとっては、お酒やタバコは依存性があるため、いきなり禁酒や禁煙をするのが難しいかもしれません。

自分の意思で禁酒や禁煙をするのが難しい場合には、病院を受診してみましょう

見守りツールの活用

近年、ベッドや身体に取り付けて脈拍や呼吸などのバイタル情報や、睡眠状況をデータ化、リアルタイムに通知するセンサーなどの見守りツールが広がりを見せています。

蓄積されたデータを見てご自身の健康状況を分析したり、離れて暮らすご家族とツールを共有することで状況把握にもお使いいただけるため、異変にいち早く気づくことが可能です。

ご自身の健康状況を分析したい方、ご家族と離れて暮らされている方は見守りツールの活用もご検討すると良いでしょう。

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おわりに|高齢者になっても健康でいるために病気の予防をおこないましょう

今回は、高齢者に多く発症する代表的な疾患や病気になりやすい理由、予防法について解説しました。

高齢になると老化による体の変化によって、若い頃よりも病気にかかるリスクが高くなります。
一度、病気になると元の機能まで回復せずに、さらに別の病気を発症してしまうこともあるでしょう。

高齢者になっても健康でいるために、また、ご家族の健康を守るために、今回紹介した代表的な疾患を把握し予防法を実践してみてください

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【参考資料】

平井 一真

理学療法士・Webライター。
理学療法士として総合病院や訪問看護ステーションでリハビリテーション業務に携わった後、資格を活かした医療や介護系のWebライターとして活動。根拠に基づいた記事執筆を得意としており、様々なWebコンテンツにて執筆実績多数。
理学療法士、福祉住環境コーディネーター2級、食生活アドバイザー3級。

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